不登校児に学びの場 社会福祉法人山栄会が高等専修学校(長野)
2025年02月28日 福祉新聞編集部
長野県佐久市の社会福祉法人山栄会(山崎俊比古理事長)は、4月に高等専修学校「信州クラーク高等学院」を同県上田市に開校する。介護人材の育成と不登校のこどもの学びの場の確保などを目的とする。3年制で定員は各学年40人。計6コースあり、自分に合ったスタイルで学ぶことができる。
高等専修学校は学校教育法に位置付けられた専修学校で、中学卒業者が入学でき、専門的知識、技能を学べる。自由にカリキュラムが組まれ、多様な生徒を受け入れている。2020年度時点で全国に約400校あり、約3万4000人の生徒がいる。
介護人材不足の中で法人自ら人材を育成する「福祉コース」は、法人が県内で運営する12事業所で実務経験を積み、在学中に介護福祉士の受験資格を得られるようにする。希望すれば土日などに事業所で働いて賃金を得られるため、学費を賄うこともできる。
長野県は全国的に不登校のこどもが多いことから「ワンデイコース」は、不登校のこどもの学びの場を確保し、少しずつ通学日数を増やして高校を卒業できるようにする。さまざまな進路に対応した資格、検定の対策授業がある「総合学習コース」や、提携する大手予備校のサテライト授業を受講できる「進学プログレスコース」などもある。年度でコースを変えることもできる。
専任教諭4人を含めて職員は約15人。近隣の高校や商店街などと行事を行うことも計画している。渡辺広二理事長補佐は「単に高校を卒業させるだけでなく、しっかり向き合い、こどもの成長、未来をサポートしていく」と話している。
現在、生徒を募集中で、個別相談や説明会を実施している。詳細は同校ホームページで。