独立財政機関の設立を 令和臨調が提言
2025年02月09日 福祉新聞編集部![](https://fukushishimbun.com/wp-content/uploads/2025/02/203e6623f711e59270921a7f475f02a6.jpg)
令和国民会議(令和臨調)は1月30日、中立的な立場で社会保障などの財政を長期的に推計する委員会を創設することなどを盛り込んだ提言を発表した。国会内に党派性のない中立的な機関をつくり、30年程度の財政収支や国民負担などを継続的に推計するよう求めている。
提言は、少子高齢化と人口減少が進む中で、医療や介護保険制度への財政的な懸念が若い世代にあると指摘。長期的な視点で最適な政策を選択するため、日本型の独立財政機関「長期財政推計委員会」(仮称)を設置する法案を今国会に提出することを訴えた。
同委員会は党派性のない中立的な機関として国会内に常設。委員長や委員は国会議員ではない有識者数人で構成し、任期は5年とする。委員会を支える職員は数人から30人程度を想定している。
具体的には30年制度の長期で財政収支や国民負担率、債務残高などを継続的に推計。政府の経済財政などの見通しについても独立した中立的な観点から評価する。
令和臨調によると、同様の機関はOECD(経済協力開発機構)加盟38カ国のうち31カ国に設置されている。日本でも短期間での財政予測は出しているが、省庁が推計するため、政治の意向を受けやすく、楽観的なバイアスがかかりやすいという。
令和臨調は経済界や労働界、学識者ら100人以上が集まり、2022年に発足した。共同代表は茂木友三郎キッコーマン名誉会長、小林喜光東京電力ホールディングス会長らが務めている。
令和臨調は同日にザ・キャピトルホテル東急(東京都千代田区)で記者会見を開いた。出席した平野信行三菱UFJ銀行特別顧問は、「24年12月に設置が決まった政治資金管理委員会がいい前例だ」と説明。「与野党で知恵を出し合って、今の日本にふさわしい委員会を整備してほしい」と述べ、今国会での法案提出を求めた。