介護振り返る機会に 技術コンテストの効果検証〈こうほうえん・鳥取〉
2025年05月29日 福祉新聞編集部
社会福祉法人こうほうえん(廣江晃理事長)は、介護者の技術向上と交流を目的とする「オールジャパンケアコンテスト」に関する効果検証(厚生労働省の委託)を行った。
昨年のコンテスト参加者(140人)アンケートで「自分の介護を振り返り見直す機会になった」「相互研さんで介護技術の向上になった」との回答が多く、介護を客観的に捉え直すきっかけになり、現場の質の向上につながっていることが示唆された。
コンテストは同法人のほか、日本介護福祉士会、SOMPOケアなどによる実行委員会が2010年から実施している。介護職員が「認知症」「看取り」「入浴」など7分野の課題で実技を行い、専門家が採点し助言する。これまで1400人以上が参加した。各地で同様の大会は開かれているが、体系立てて効果を検証したのは初めてだという。
昨年のコンテスト参加者の7割は20、30代。8割が介護福祉士資格を持っていた。参加動機は「上司の推薦」が最多だが、次に「自発的意思による参加」が多かった。
事前準備では、職場の上司や同僚から指導を受ける人が多く、自分の介護を振り返ったり、介護の根拠を考えたりする機会になっていた。ほかの参加者の実技を見ることや専門家の助言が参考になったという回答は、それぞれ9割強を占めた。
施設管理者などから「チームの意識が向上した」「現場内研修に活用できた」との声もあり、職場内で普段と違う関係性が築けたという回答も多かった。
同法人は、介護は密室状態になりやすい中、介護技術を見える化できることもコンテストの効果の一つに挙げている。