「送迎加算 職住分離へ一歩」 知的障害者協会の施設長会議

2024年0726 福祉新聞編集部
あいさつする樋口会長

約6500施設・事業所が加入する日本知的障害者福祉協会(会長=樋口幸雄社会福祉法人京都ライフサポート協会理事長)は11、12両日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで「全国知的障害関係施設長等会議」を開いた。

6月に会長に就いた樋口会長は初日の開会式で、4月に改定された障害報酬で送迎加算の対象に障害者支援施設から施設外の日中活動の場に送迎した場合も含まれたことについて「(施設入所者の)職住分離の条件となる送迎加算の対象に施設が加わったことは、これからの施設の在り方にとって大きな一歩になる」と述べた。

また、グループホーム大手「恵」のずさんな経営実態が問題になっていることにも触れ、「知的障害者の親亡き後の暮らしがクローズアップされている。社会福祉法人が実践を通じて在り方を示していくかが問われている」と語った。

初日のシンポジウムでは、これからの障害福祉について意見を交わす中で、人材確保に関する言及があった。

田島誠一合同会社TKT福祉経営研究所代表は人材マネジメントについて「職員が辞めたら採用するのではなく、予想して計画的な採用をするのが経営者だ」と強調。松原由美早稲田大人間科学学術院教授は「社会課題を解決するソーシャルイノベーターが福祉人材だ。人材を確保するときに福祉の存在意義は何かを突き詰めて考える必要がある」と話した。また、山田雅人社会福祉法人恵の園理事長は「人材確保も課題だが、支援の質に影響していることが大きな問題だ。職員が疲弊していることを訴えていきたい」と述べた。