特養で週休3日、入職祝い30万円 職員親睦で働きやすく(岐阜)
2024年03月05日 福祉新聞編集部介護人材不足で空床の施設がある中、岐阜市の社会福祉法人千代田会「特別養護老人ホーム喜久寿苑」は昨年4月の新館開設(28床増)に合わせて約20人が入職、4カ月目には満床にすることができた。
人材確保に向け、新館では週休3日制を導入した。1日10時間労働で2交代シフト。従来の週休2日制も残るため運営しづらい面もあるが、働き方を選べるようにした。また、入職した正職員に30万円、パートに15万円の祝い金や、職員紹介に15万円の手当も支給し、人材紹介会社や外国人に頼らず人材を集めた。箕浦準二理事長は「業者に手数料を払うなら職員に支給した方がいい」と言う。
法人では早くからウェブサイトで初任給や各資格手当、夜勤手当、ご遺体処理手当などの詳細を公開。インスタグラムやブログには施設の日常を載せるなど、求職者がインターネットから情報を得るようになることを見越して取り組んできた。 一方、働きやすい職場づくりとして、県の「ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業」「ぎふ・いきいき介護事業者」、市の「ぎふし共育・女性活躍企業」の認定も受けている。介護福祉士などの受験料や、ケアマネジャーの更新研修費を全額補助。各種研修の参加は業務時間扱いとし、交通費や宿泊費なども支給している。
さらに、こどもの病気などによる急な欠勤でも「お互いさまという意識づくりにつながっている」(川上工輔施設長)というのが職員親睦会だ。会費年1万4000円で、法人が旅行代(年5万円)や忘年会費を補助する。コロナ禍で休止していたが、今年度の旅行は鹿児島県の屋久島など全8行程で実施され、来年度は海外旅行も計画中だ。職員の遠藤有希さんは「職場を離れてみんなでリフレッシュできる」と言う。
旅行に行くため職員間で勤務日を調整する中で、フォローし合う雰囲気が醸成され、働きやすい職場につながっている。箕浦理事長は「職員の笑顔と思いやりが大事。そうすれば利用者、家族に安心してもらえる」と話す。