母国で福祉のリーダーに 全社協、アジア研修修了式

2024年0307 福祉新聞編集部
修了証書を受け取る研修生たち

全国社会福祉協議会の第37期アジア社会福祉従事者研修の修了式が2月22日、灘尾ホール(東京都千代田区)で開かれた。5カ国から訪れた研修生が1年を振り返り、母国で研修での学びを生かす決意などを語った。

 

研修は全社協が1984年、アジアの福祉現場で働く人たちと交流し、信頼できる人間関係をつくろうと開始。日本語の学習とともに、長期の福祉施設研修もある。これまで新型コロナウイルス感染症の影響で中止していたが、4年ぶりに再開した。

 

修了式にオンラインで出席した村木厚子会長は、研修の修了生が今回で8カ国、176人に上ったと紹介し「先輩方と同様、修了生同士のつながりを大事にして、母国で福祉のリーダーになることを期待したい」と述べた。

 

今年度来日したのは▽チョイさん(韓国)▽シンヅさん(台湾)▽アイさん(タイ)▽イスルさん(スリランカ)▽リズキさん(インドネシア)の5人。
修了証書を受け取った後、それぞれ日本語で研修を振り返った。

 

チョイさんは研修中の利用者とのやりとりなどを披露し「社会福祉の仕事は幸せを引き出し、改めて一緒に泣いたり笑ったりすることだと気付いた」と話した。シンヅさんは、施設にいつも優しさがあふれていたと振り返り「福祉の視野を広げることができた」と笑顔を見せた。

 

またアイさんは、福祉施設の職員が専門知識を持って利用者と対等に接している姿が印象に残ったと話し、イスルさんは「施設の人たちは理念を持って熱心に仕事をしていた」とそれぞれ思い出を語った。

 

リズキさんは「誰もが幸せになる権利を持つという福祉の考えに基づいたプログラムを作り、地域の人が幸せになるよう力を注ぎたい」と決意を述べた。

 

最後に湯川智美・全社協国際社会福祉基金委員会委員長は「近い将来、アジアの社会福祉の発展を目指すパートナーとして友人になることを楽しみにしている」と激励した。