外国人育成就労制度を創設 1~2年働けば転職可
2024年02月17日 福祉新聞編集部政府は9日、「外国人材の受け入れ・共生に関する関係閣僚会議」を開き、技能実習を廃止し、1~2年働いて一定の要件を満たせば転籍(転職)を認めることを盛り込んだ「育成就労制度」を創設する方針を決定した。今通常国会に関連法案を提出する。
岸田文雄首相は会議で「わが国が外国人材から選ばれる国になるという観点に立ち、決定した方針に基づき、技能実習、特定技能の見直しに向けた作業を進める」と話した。
技能実習をめぐっては労働力確保に利用され、原則転籍できず人権侵害などの問題も起きていることから、政府は昨年11月の有識者会議の報告書などを踏まえ方針を決めた。
育成就労制度は人材確保、育成を目的とし、基本的に3年間の就労を通じて「特定技能1号」の水準に育成する。受け入れ分野は特定技能の「特定産業分野」とし、今後必要に応じて追加することも検討する。
転籍は同じ施設で1~2年働き(受け入れ分野ごとに期間を設定)、日本語能力試験N5などに合格すれば同一分野に限り認める。転籍前の施設が負担した初期費用などについて補ほ填てんを受けられる仕組みも検討。また、転籍手続きの際に悪質業者が入れないよう当面は民間の職業紹介事業者の参入は認めない。
技能実習の監理団体は「監理支援機関」とし、外部監査人の設置を義務付けるなどして独立性を確保する。