国立大付属で全国初 鳥取大医学部付属病院が児童・思春期病床を開設
2025年04月18日 福祉新聞編集部
鳥取大医学部付属病院(鳥取県米子市)の精神科病棟に、不登校やゲーム依存症など心に悩みを抱える19歳以下のこどもたちの入院治療を専門に行う県内初の「児童・思春期病床」が4月開設された。県内の児童精神科医療を担う人材育成も進める。同病院によると、国立大付属病院で同病床の設置は全国初となる。
病床の愛称は「だんだん村」。人のぬくもり、温かさの中で育ち、だんだん良くなる、成長する、との思いを込めた。精神科病床の3分の1をこども専用に改修。個室6部屋に加え、談話室、学習室、面談室を整備。精神科医や公認心理師、精神保健福祉士ら専門家がチームを組んで支援に当たるという。
デジタル環境とは一定の距離を取るため、スマートフォンは原則持ち込み禁止にしている。中庭で花や野菜を育てたり、フィンランドで開発された対話を中心としたケアの手法を実践したり、アート活動を楽しんだりするなど多角的な心のケアに取り組む。
また、児童相談所や児童養護施設との連携も深めていく。県内の3児相が即座に相談できるホットラインを設置。緊急的な受診を含めた医療、心理療法に関するアドバイスをする。児童養護施設で暮らすこどもの生活状況を共有して支援について助言することも見据えている。