当事者の声に耳傾ける 千葉精神医療人権センター発足

2024年0917 福祉新聞編集部
設立総会で抱負を語る池澤代表(正面右)=同センター提供

精神疾患を持つ人の権利を守ろうと、任意団体「千葉精神医療人権センター」(池澤直行代表)が7日、千葉県習志野市内で設立総会を開いた。精神保健福祉士らが毎週土曜日午後1時から4時、精神科病院に入院中の患者から退院したいといった相談(無料)を電話で受ける。

作業療法士、精神保健福祉士で元市川市役所職員の池澤代表(60)は「まずは当事者の声に耳を傾けたい。病院に足を運んで情報公開を進め、誰もが安心してかかれる精神科医療の実現に向けて力を尽くしたい」と抱負を語った。

同センターの調べによると、2023年4月現在、千葉県内には52の精神科病院がある。入院患者数は9230人。病床数も入院患者数も年々減るが、医療保護入院(強制入院)の比率は64%で全国平均よりも高い。

池澤さんらは患者が自分の生活を自己決定する環境が整っていない現実があるとみて、大阪や神奈川などにある精神医療人権センターの取り組みを参考に千葉で開設した。

電話相談の担い手は精神保健福祉士のほか、精神医療を受けた経験のある人ら6人。連絡先は同センター(電話050・6865・9260、chibaseishinjinken@gmail.com)。