重度の医療的ケア児に対応 放課後デイ開設〈博愛福祉会・兵庫〉

2025年0617 福祉新聞編集部
岸元部長(右)の熱意により開設が実現した

高齢者福祉を中心に約90の事業を行っている社会福祉法人博愛福祉会(中村達志理事長)は1日、兵庫県明石市に放課後等デイサービス「それいゆキッズケアえがお」を開設した。小児看護の経験を積んだ小児特化看護師が10人(隣接する訪問看護ステーションと兼務)おり、重度の医療的ケア児に対応できるのが特徴だ。1事業所に多数の小児特化看護師がいるのは珍しい。

人工呼吸器や経管栄養などが必要な医療的ケア児は推計で約2万人いる(2021年)。十数年前から倍増しているが、医療的ケア児を支える地域の受け皿は不足している。家族は日々ケアに追われ、自分の時間を持つのも難しい。

その状況を以前から懸念し、受け皿をつくりたいと考えていた岸元知加子医療看護部長の熱意から、キッズケアえがおの開設に至った。隣接の訪問看護ステーションで小児特化看護師を育成し、医療的ケア児に対応してきたノウハウを生かす。

営業時間は平日午後2時~5時、土曜午前10時~午後4時。定員は1日7人で、すでに20人の利用希望がある。岸元部長は「重度の医療的ケア児が安心して成長でき、親が休息できるようにしたい」と意欲を示す。

キッズケアえがおでは、浴槽につからないミスト浴ができる。医療的ケア児がより安全に入浴でき、職員の負担も少ない。また、リハビリ専門職や保育士らが、個々の発達に応じたリハビリや療育を提供。法人が参加する「社会福祉連携推進法人日の出医療福祉グループ」の医療機関医師が定期健診を行う。

医療的ケア児の支援は放課後等デイサービスだけで完結するわけではない。岸元部長は「病院など関係者が連携し、同じ方向で関わることが大事になる」と話す。

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