〈新任部局長に聞く〉竹林悟史こども家庭庁支援局長 性暴力防止法施行へ万全準備

2026年11月01日 福祉新聞編集部
竹林局長

 ――就任の抱負を聞かせてください。

 こども家庭庁が掲げる「こどもまんなか社会」を実現する上で最も基本となるのは、こどもの命、安全、そして権利をしっかり守ること。支援局はとりわけ困難に直面しているこどもや家庭を支える役割を担っていますので、支援を必要としている当事者に寄り添った施策を着実に進めたいと考えています。

 ――性犯罪歴の確認などを義務付けるこども性暴力防止法の施行が12月に控えています。

 手続きを行うための専用システムについては鋭意整備を進めている状況です。一方、就業規則の見直しや、犯罪事実確認記録の管理体制構築など、法施行までに必要な準備を進めている事業者から、作業量が多く大変との声も届いています。

 ただ、こどもへの性暴力はたとえ一度であっても、被害を受けたこどもにとっては一生の心の傷として残るものです。こども性暴力防止法は、こうした被害を防ぐための重要な制度です。

 各事業者には日常業務で多忙な中、追加的な負担をかけていると思いますが、制度の趣旨や、施行日までに最低限完了してほしい対応を簡潔にまとめた「義務事業者用準備ガイド」や動画、Q&Aなどの資料を参照しながら準備を進めてもらい、万全の状態で法施行を迎えていただきたいです。

 ――家庭養育優先原則を掲げた改正児童福祉法成立から10年たちました。

 2029年度までに、乳幼児の里親等委託率75%以上、学童期以降50%以上とする目標を掲げていますが、現状と目標の間には大きな隔たりがあります。今年度から里親支援センターの設置促進と機能強化を目的にアドバイザー派遣などを始めており、里親の担い手拡大と里親支援を一層充実させていく必要があります。

 ――こども家庭ソーシャルワーカーの取得者拡大に向けてはどうでしょう。

 引き続き、自治体に対して、研修受講料などの財政支援を行います。また、新たに自治体職員や社会的養護関係者を対象としたオンラインイベントも予定しており、資格の意義や取得後の活躍の可能性を広く伝えていきます。

 ――内密出産、赤ちゃんポストが広がりを見せています。

 匿名性を伴うことから、母親に対する保健、福祉的支援が届きにくくなることや、こどもの「出自を知る権利」の保障といった課題もあります。こども家庭庁としては、妊婦が内密出産に追い込まれないよう、予期せぬ妊娠の相談体制の強化や、困難を抱える妊産婦への一時的な住まいの提供に加え、特別養子縁組制度の周知にも力を入れます。


 1969年生まれ。大阪府出身。東京大卒。92年4月、旧厚生省入省。

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