〈新任部局長に聞く〉水谷忠由厚労省障害保険福祉部長 利用者本位の支援に
2026年10月18日 福祉新聞編集部
――障害保健福祉部は13年ぶりになります。
2011年から13年にかけて障害福祉課長補佐を1年、企画課長補佐を1年務め、障害者自立支援法の障害者総合支援法への改正や、報酬改定検討チームを立ち上げての報酬改定、精神保健福祉法の改正などに携わりました。
――障害福祉施策の動向について。
障害福祉サービス等の利用者が引き続き増える一方、利用者本位ではないサービス提供も見られ、障害福祉サービス等の総費用が非常に伸びています。ただ、障害のある人が自身と向き合いながら生活を送れるよう、いかに必要な支援を届けるかという点は今も変わっていません。
――27年度障害福祉報酬改定の議論が進んでいます。
物価や賃金が上昇し、人材確保も課題になっています。事業者の経営状況なども踏まえつつ、質の高いサービスを提供できるようにしなければなりません。利用者本位の質の高い支援に資源がしっかりと用いられるようにすることが、制度の持続可能性の観点からも必要不可欠です。
――質の高いサービスをどう判断しますか。
見方はサービスの種類によっていろいろあると思います。個別のサービスごとに課題を分析し、具体的な対応を検討していきます。
――地域移行や入所施設の役割について。
地域と施設の二元論ではなく、障害者を真ん中に据えて、希望する地域などで暮らしていけるよう、支援する主体が役割を考えながら、必要な機能を担っていくことが基本的な考え方です。これは精神障害にも対応した地域包括ケアシステムも同じです。さまざまな主体が連携し、関わっていく。ある意味、地域づくりであり、地域共生社会の実現を後押しするものだと思います。
――27年度予算の概算要求について。
障害者総合支援法の地域生活支援事業などにおける国の補助額を増額要求し、災害対応拠点になる施設整備にも新しく予算を要求しました。障害福祉サービスなどの総費用が急増している状況は予算確保にも影響を及ぼしかねませんので、利用者本位のサービス提供に資源が用いられるようにする取り組みが必要不可欠です。
――読者へのメッセージをお願いします。
私の役割は現場の思いを政策として実現させていくことです。それが障害保健福祉行政に携わらせていただく者の醍醐味だと感じています。現場の皆さんの声をわれわれに打ち込んでいただき、一緒に取り組んでいきたいと思います。
みずたに・ただゆき=1973年生まれ。東京都出身。東大卒。97年入省。

