〈第44回全国社会福祉軟式野球大会〉北海道・清水旭山学園が4連覇

2026年10月23日 福祉新聞編集部
4連覇で7度目の優勝を果たした清水旭山学園=撮影はいずれも陶器浩平

 第44回全国社会福祉軟式野球大会(全国社会福祉軟式野球連盟主催、福利厚生センター、福祉新聞社など後援)が7、8日に金沢市の市民野球場など4カ所で行われ、16チームが熱戦を展開、清水旭山学園(北海道)が4連覇を果たした。チームの鈴木琢朗選手は1大会7本塁打の快挙を達成、2年連続で最優秀選手賞に選ばれた。能登半島など震災と豪雨の被災地を抱えた石川県での戦い。熊本や千葉のチームも出場する中、選手は災害支援もわが事と自覚。互いを称えて、福祉人としての仲間意識を育みながら白球を追った。

 8日の決勝戦は清水旭山と、準決勝で前回準優勝の北広島エルフィンズ(北海道)を8対7で下した香川ソーシャルワークス(香川)の戦いとなった。

 先攻は香川。1回表に4番、谷川が2、3塁に走者を置いて左越え安打を放ち1点を先取。2回表にも香川が1点を加えて2対0とリードした。

 後攻の清水旭山は2回裏、先頭打者の鈴木がレフト越えに本塁打。7日の大会初戦で熊本球遊から3本、2回戦の新生会(群馬)から2本の本塁打に続く、1大会6本目の本塁打。2対1と反撃し、さらにランナー2人を置いて松山がランニングホームラン。3点を加えて、4対2と一挙に逆転した。

 3回裏にも1死後、鈴木が2打席連続でレフトオーバーのソロホームラン。1大会7本の本塁打を記録して5対2とリード。6回にも小笠原、上床、桑村が安打を放ち2点を挙げて、7対2と突き放した。

 清水旭山の投手、吉田弦生は3回以降、香川を無得点に抑えて最優秀投手賞を受賞。清水旭山は、コロナ禍による5年間の大会中止を挟んで4連覇、通算7度目の優勝を果たした。

 森卓也監督は、監督としての優勝は昨年に続いて2回目。2年連続の最優秀監督賞に輝いた。森監督は「鈴木の4試合で7本塁打は普通じゃない」と絶賛。「(投手の)吉田には大会前から『初戦と決勝はお前でいくよ』と伝えていた。普通にやれば、おのずと結果はついてくる。そう信じていた。けがだけが、危ない(心配)。けが人を出さないように、気を付けてやりました」と総括した。

 3位は北広島エルフィンズ(北海道)と秋田県民生協会だった。

 閉会式後、小笠原悠真選手(清水旭山)が、香川のナインの中に大学の先輩がいることに気付いて駆け寄って話すシーンも。開会式からの3日間、福祉の種別を越えて、県を越えての交流が見られた。

◆個人表彰

 最優秀選手賞=鈴木琢朗(清水旭山学園)▽最優秀投手賞=吉田弦生(同)▽最優秀監督賞=森卓也(同)▽敢闘賞=麻生涼(香川ソーシャルワークス)

「打った瞬間、入ったと思った」最優秀選手賞の鈴木選手

陽風園の平嶋理事長(左端)から表彰される鈴木選手。後列左から古田投手、森監督、麻生選手

 1大会7本の本塁打を放った鈴木選手(清水旭山学園)。閉会式では、運営事務局を担った社会福祉法人陽風園(金沢市)の平嶋正実理事長から新しくなった優勝旗を受け取った。個人表彰でも、表彰状やトロフィーを手にした。

 7本目の本塁打は、決勝戦の3回裏に飛び出した。レフト方向に飛んだ打球は大きく青空に弧を描いたが、観客席からは「入るかどうか」ギリギリに見えた。だが、鈴木選手は走り出してすぐに立ち止まり、白球の行方を追った。

 「打った瞬間、自分的には『入った』と思ったんです」

 閉会式後、こう話した鈴木選手。「角度を突いていたので。それに風もあり、軌道に乗ってくれたと思いました」。

 前日の〝2試合で本塁打5本〟の快挙については「球場がちょっと狭かったと思いましたが、公式記録で本塁打となりました。調子が良かったですね」。そしてこう続けた。「結果的には、優勝できたことが一番良かった。チーム一丸となって、この大会に懸けていたので」。

〈開会式・前夜祭〉野球も福祉も仲間いてこそ

 開会式は試合前日の6日夕、JR金沢駅近くのホテルで開かれ、出場16チームが、夏の全国高校野球の大会歌「栄冠は君に輝く」に乗って入場行進した。

 最初に連盟の上栗哲男会長があいさつ。「第1回から出場、33歳でしたが今77歳。今年も出場します。伝統のある大会です。頑張りましょう」と檄げきを飛ばした。

 福祉新聞社の松寿庶社長は、「同じ福祉の仕事をしていても、業種が違うと互いを知らない。ましてや県を越えて、業種を越えての交流はない。野球連盟が唯一です」と祝辞を述べた。

 優勝旗返還の後、陽風園主将の菖蒲真司さんが「野球も福祉の仕事も1人ではできません。すべての仲間たちと笑顔と感動を分かち合い、最後まで全力でプレーすることを誓います。福祉の未来がもっと明るく、もっと温かいものとなるよう、力を合わせて福祉を盛り上げていくことを誓います」と宣誓した。

雄たけびの前夜祭

 開会式の後には前夜祭が開かれた。陽風園の平嶋理事長が「石川が担当するのは33回大会以来、11年ぶり。健闘を祈ります」とあいさつした。

 続いて、組み合わせ抽選が行われ、最後にチーム紹介へ。歌あり、郷土自慢の土産のプレゼントありで、大盛況。決意表明の雄たけびが続く中、金沢大チアリーダー部グリーンアップルズの華麗な演技が華を添えた。

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