4法人が災害連携協定 有事に備え平時も交流(三重・四日市市)

2024年0906 福祉新聞編集部
災害時などにおける連携協定を結んだ(中央が大橋理事長)

三重県四日市市で特別養護老人ホームなどを運営する4法人が8月20日、災害時連携協定書に調印した。避難支援や介護業務を行う職員の派遣、飲料水などの物資や車両の支援、停止したサービスの代替支援などで協力し合う。日ごろからの交流も重視し、9月3日の同時間に各法人で避難訓練を行う予定。

調印したのは社会福祉法人風薫会、桜コミュニティ、富田浜福祉会、医療法人富田浜病院。うち3法人は伊勢湾に近い場所にある。これまで市内で災害協定を結んだ社会福祉法人は少ないとされ、災害時や感染症流行時に利用者や職員の安全を確保し、サービスを提供できるよう連携する。

職員が別法人の施設に行って交流したり、災害時以外で人手不足の際に応援職員を派遣したりするなど、平時から顔の見える関係を築いている。3日の避難訓練ではZoomで情報共有しながら、それぞれ特養1階の利用者を階段で2階に避難させ、災害備蓄品を出して避難生活が送れるか確認する。

調印は偶然にも南海トラフ地震の発生が懸念された直後となった。風薫会の大橋秀行理事長は「大規模災害に法人単独で対応するには限界がある。さらに連携の輪を広げていきたい」と述べた。今回は災害時協定だが、ほかの業務でも連携しようと社会福祉連携推進法人の設立に向けた検討も進めている。