「長期化は避けられない」 全社協が職員派遣調整〈能登半島地震〉

2024年0205 福祉新聞編集部

能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県では、今も輪島市や七尾市など3市3町のほぼ全域で断水。502カ所ある避難所には1万3665人が身を寄せている。一方、被災した157カ所の福祉施設のうち、復旧したのは2割以下。全国から福祉専門職の派遣を調整している全国社会福祉協議会は「支援の長期化は避けられない」と話す。

 

この地震で1月2日から全社協内にある「災害福祉支援ネットワーク中央センター」が本格的に始動した。大災害時に、福祉専門職による災害派遣福祉チーム(DWAT)と福祉施設間の職員派遣を調整する組織で、今年度から厚生労働省より受託していた。

 

石川県の要請を受け、8日から静岡、群馬、京都のDWATが避難所に入った。その後も各県からの支援は続き、全社協によると、石川では28日までに14府県から延べ620人が支援している。避難所では社会福祉士や介護福祉士、看護師などの混合チームで、福祉ニーズの把握や相談支援などを展開しているという。

 

福祉施設への専門職派遣のマッチングも進行中だ。

 

厚労省とこども家庭庁は10日、社会福祉法人などに対して2月末まで活動できる介護職員などの派遣に協力するよう呼び掛ける通知を出した。23日までに全国から2200人が応募したという。

 

一方、被災地からは24日までに15自治体の60施設から支援を求める声が上がった。職種や派遣期間などの条件でマッチングした結果、37施設に89人を派遣したという。

 

全社協は「現地では断水も続いており、食べ物と寝袋などの持参が派遣の条件となっている地域もある。ある意味、これまでの災害支援でもっとも過酷な現場だ」と指摘。支援の長期化は避けられないとみている。