市販薬乱用、中学生55人に1人 厚労省調査で初推計
2025年08月26日 福祉新聞編集部
せき止め薬などの市販薬を過去1年以内に乱用目的で使った中学生が1.8%(約55人に1人)と推定されることがこのほど、厚生労働省研究班(代表=嶋根卓也国立精神・神経医療研究センター研究室長)の調査で分かった。
報告書は「市販薬の乱用問題は、全国的に広がっている可能性がある。乱用経験のある中学生は学校や家庭で孤立状態にあり、生きづらさを抱えていることが明らかになった」としている。
調査は全国の中学生の飲酒・喫煙・薬物乱用の実態を隔年で調べるもので、14回目の今回、市販薬の乱用を初めて調べた。2024年9~12月に行い、124校・3万7967人の回答を分析した。
過去1年間に市販薬を「ハイになるため、気分を変えるため」に、定められた回数や量を超えて使用したことがあるかを尋ねて乱用経験率を推定したところ、男子は1.5%、女子は2%で全体が1.8%だった。
乱用経験のある中学生は、相談事のできる友人がいない(17.5%▽悩み事があっても親にはほとんど相談しない(30.4%)▽生きづらさをかなり感じる(21.1%)――と回答し、いずれも乱用経験のない中学生を上回った。