遠隔診療、介護施設職員も支援 厚労省調査で速報値
2025年12月04日 福祉新聞編集部
オンラインを活用した遠隔診療を行う際、患者のそばで支える職種として介護施設の職員がいることが、11月19日、厚生労働省の「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(座長=野口晴子早稲田大教授)で分かった。
2040年を見据えた地域医療構想について検討する上で、厚労省は在宅医療の提供体制を介護施設を含む地域の関係機関で支えることが必要だとし、オンライン診療も積極的に活用する考えだ。
同日示した実態調査の速報値(今年11月時点)によると、オンライン診療を活用するのは在宅療養支援診療所・病院324カ所のうち40カ所。
オンライン診療の際に患者のそばで支える職種が誰か尋ねたところ、回答のあった44カ所のうち最も多く挙がったのは「訪問看護ステーションの看護師」(18カ所)で、その次に多いのが「高齢者の介護施設職員」(15カ所)だった。
オンライン診療を行う際、自宅などにいる患者と医療機関の医師は1対1ではなく、患者のそばに専門職がいることが多い。人材不足の地域では家族が同席する例や、誰もそばにいない例もある。
厚労省は同日、24年3月末時点で全国の市町村のうち、在宅療養支援診療所・病院のない自治体は379あり、その多くが人口5万人未満だと報告。24時間体制で在宅医療を維持するのは困難だとしている。
また、在宅療養する患者に対し、災害発生時も継続して医療を提供できるよう業務継続計画を作る市区町村が全体の5%に過ぎないことも判明した。
厚労省は業務継続計画づくりを市区町村に促す方針で、その際には介護施設との連携についても事例を集めて周知する考えだ。

