不登校児に特例課程 小中で個別指導の方針〈文科省〉
2025年04月19日 福祉新聞編集部
文部科学省は、不登校の小中学生に個別の教育課程を編成できる特例制度を創設する方針を明らかにした。不登校児向けの支援拠点「教育支援センター」に通うこどもを対象とし、年間の授業時間を減らしたり、下の学年の履修内容に戻って学び直したりすることができるようにする。
10日の中央教育審議会教育課程企画特別部会に「検討の方向性と具体的な論点」として示した。今後、検討を重ねて2026年度中に答申を得る。おおむね10年に1度の学習指導要領の改訂に反映し、早ければ27年度にも導入する。
現在、学校単位で特別な教育課程を編成できる「学びの多様化学校」(不登校特例校。小中は52校)があるが、こども一人ひとりに着目した指導計画や学習成果の評価方法はルール化されていない。
「教育支援センター」は教育委員会が設置して退職教員が指導するタイプと、小中学校内の空き教室に置くタイプがあり、その数は全国で合計約1万4000カ所。家を出られても学校には行けないこども、学校には行けるが教室に入れないこどもが通う。
文科省によると、不登校の小中学生は増加傾向にあり、23年度は約35万人=グラフ。そのうち、学校内外の機関で専門的な相談・指導を受けるこどもの割合も増えており、6割に上る。
特別部会はこのほか障害のあるこどもへの特別支援教育や合理的配慮、特定分野に特異な才能のあるこどもの教育についても検討する。