精神障害者も5割引き JRなど鉄道各社が導入

2024年0425 福祉新聞編集部

JRグループや私鉄大手は11日、精神障害者保健福祉手帳の所持者の一部を対象とした割引制度を2025年4月1日に導入すると発表した。従来、身体障害者と知的障害者に適用していた割引制度の対象を広げる。

手帳の等級は1~3級があり、割り引きの対象や条件は各社で異なる。多くの社は1級と2級を対象とし、手帳所持者とその介助者が同伴する場合に運賃を5割引きとする。手帳所持者が単独で乗車する場合は、片道100キロメートル以上の乗車に限り5割引きとする。

対象拡大を求めて10年超にわたり活動してきた全国精神保健福祉会連合会(岡田久実子理事長、みんなねっと)は同日、「ついに悲願が達成された。今後は同伴条件を廃止し、等級にかかわらず、すべての手帳所持者が割り引き対象になるよう改善を求めていく」との声明を出した。

JR以外で25年4月1日から導入するのは東武、西武、小田急、相鉄、京阪の5社。新京成は今年6月1日、東京メトロは今年8月1日、阪急と阪神は25年1月末に導入する。西鉄、近鉄、京王など7社はすでに同様の制度を導入済みだ。

これまで精神障害者が割引制度から除外されていることをめぐっては、「偏見や差別を助長する」との意見が上がっていた。それを受け、国会や国土交通省でも割引制度の対象拡大を求める機運が高まっていた。