こども家庭庁も注目、フランスの支援学ぶ〈国際こども家庭福祉研究会〉

2025年0910 福祉新聞編集部
フランスからエデュケーターが来日して講義した

社会的養護関係者などでつくる国際こども家庭福祉研究会(北川聡子代表)は8月16日から5日間、聖心女子大(東京都渋谷区)で、フランスのこども家庭福祉を学ぶ研修会を初めて開催した。オンラインも含め、児童福祉関係者ら200人が参加。フランスで家庭支援を行うエデュケーターも来日して現場の実践を語った。

開会にあたり北川会長は「フランスではこどもと家庭を具体的に支える仕組みが確立されている。質の高い支援と人権を大切にする養成の在り方は日本でも参考になるはずだ」と話した。

研修会をコーディネートしたフランスのソーシャルワーカー養成校で理事を務める安發明子氏によると、フランスでは保育所や学校でこどもの様子に心配なことがあると支援の対象となる体制を構築。必要に応じて「在宅教育支援」「日中入所」「自宅措置」「施設・里親」などの支援メニューがあり、行政や民間団体が関わる。

そこで支援するのがエデュケーターと呼ばれるソーシャルワーカー専門職だ。1967年からある国家資格で、フランスには12万人ほどいるという。資格を取得するには養成校で3年間学ぶ必要がある。

安發氏は「ニーズがあるところにしっかり支援が届く仕組みが必要」と述べ、早期介入による予防的支援の重要性を訴えた。

研修会は家庭支援や性暴力予防、トラウマなどがテーマの講義があった。パリ近郊の民間機関で責任者を務めるセバスチャン・エルシュ氏は、家庭を支援する際の具体的な手法や理論などを説明。「支援するこどもには他者と良い関係性を築けるんだという経験を提供することが何より重要」と話した。

また、研修会の初日には、こども家庭庁の源河真規子審議官(支援局担当)も訪れ、「フランスの仕組みで学べることは多い。制度改正や現場実践に生かすことができれば」と語った。

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