こどもまんなか実行計画を発表 首相、着実な実施を指示

2024年0608 福祉新聞編集部
あいさつする岸田首相

政府は5月31日に首相官邸で、こども政策推進会議を開き、今後取り組むこども政策を一元的に示す初の「こどもまんなか実行計画2024」を発表した。社会的養護や保育分野も含め施策の進展状況を把握する387項目を提示。岸田文雄首相は実行計画について、「こども版骨太方針」だと強調し、すべての閣僚に対して着実な実施を指示した。

実行計画は、2023年末に政府が策定したこども大綱に基づき、少子化対策や社会的養護、保育、貧困などこども政策の具体的な取り組みを一元的に示すもので、毎年策定する。

同日の会合で岸田首相は「こども家庭庁が各省庁と連携して進めるこども政策の全体像であり、いわばこども版骨太方針だ」と説明。「すべての閣僚がこどもや若者の意見に真摯しんしに耳を傾け、着実にPDCA(計画、実行、評価、改善)を実施してほしい」と述べた。

実行計画の社会的養護に関しては、29年度までに地域小規模児童養護施設や分園型小規模グループケアを推進すると規定。施設の高機能化と多機能化を進める中で、家庭を支援する機関として推進する方針も示した。

その上で指標として、小規模・地域分散化された施設で暮らすこどもの割合(23年時点で19%)や、児童相談所の児童福祉司の配置人数(23年度時点で6138人)を明記。こども家庭センターや里親支援センター、社会的養護自立支援拠点の数など新規事業も複数盛り込まれている。

障害児関係では、児童発達支援センターなどを整備する市町村数(22年度時点で975団体)を明記。こどもの貧困対策では、スクールソーシャルワーカーが継続支援する問題件数(22年度時点で28万1827件)も入っている。

加藤鮎子こども政策担当大臣は会見で「こども政策について、毎年改定するアクションプランはなかった」と強調。今後、地方自治体が定める「こども計画」を後押しする考えを示した。