保育所がこども食堂 社協や障害者施設も協力(千葉)

2024年0223 福祉新聞編集部
親子連れでにぎわう「みんなの食堂」=東庄町提供

千葉県北東部に位置し、人口約1万2000人の東庄町で昨冬、初のこども食堂が誕生した。同町の社会福祉法人が運営する笹川中央保育園(諏訪亜希園長)が町有施設を会場に、地元の社会福祉協議会や障害者支援施設と協力して開催する。

 

こども食堂に関心を寄せていた諏訪園長と、町内でこども食堂を実施してくれる団体を探していた県中核地域生活支援センター「香取CCC」(社会福祉法人福祉楽団)が意気投合。香取CCCに加え、町や町社協、障害者入所支援施設「北総育成園」(社会福祉法人さざんか会)、ボランティア団体の協力も得て、昨年11月に町公民館で初開催した。参加費は無料だった。

 

名前は「みんなの食堂」。こども食堂のネガティブなイメージを払しょくし、多世代交流の場になってほしいとの願いを込めた。

 

北総育成園、社協職員らは受け付けなど会場運営に当たり、ボランティアが調理を担当。食材の大半は無償提供を受けたものなので、運営側の財政負担はほぼない。

 

この日のメニューはポークカレー、冬瓜とうがんのあんかけ、さつまいもスティックなどで、訪れた親子連れら150人は和気あいあいと食事を楽しんだ。

 

子育ての悩みなどを気軽に相談してもらえる関係を築いていくため、諏訪園長はすべてのテーブルを回って声掛けすることを大切にしている。

 

第2回は会場を変え、1月に町ふれあいセンターで開催して105人が参加。諏訪園長は「会場を1カ所に固定すると利用者が限られてしまう。町有施設を活用して多くの地域で開催していきたい」と意気込む。次回は5月を予定している。今後は3カ月に1回程度の開催を目指す。

 

全国こども食堂支援センター・むすびえの調査によると、全国のこども食堂数は公立中学校数とほぼ並ぶ9131カ所まで増加。自治体による支援も活発になっており、千葉県では来年度当初予算案に新規で「こども食堂サポートセンター事業」(600万円)を計上し、立ち上げや運営支援を進める。