「声なき声も聞いて」 こども基本法シンポジウム

2023年1115 福祉新聞編集部

こども基本法を踏まえた社会をこどもや若者とともに考えるシンポジウムが5日、都内で開かれた。こども家庭庁の主催。

 

今年4月に施行されたこども基本法は、こども政策を総合的に推進することなどが目的。個人として尊重されることや、意見を表明して参画できることなど六つの理念を規定している。また、こども政策を決めるときは、当事者の意見を聞くことを国と地方自治体に義務付けている。こども家庭庁は「こども若者★いけんぷらす」という仕組みを立ち上げており、11月時点で4300人が登録したという。

 

開会にあたり加藤鮎子・こども政策担当大臣はビデオメッセージで、こども基本法を多くの人に知ってもらうため、クイズ動画や学校教材も作る考えを明らかにした。その上で「皆さんは大きな力を持っている。今日知ったことを周りにも伝えてくれたらうれしい」と呼び掛けた。

 

イベントでは、いけんぷらすに登録したこどもたちがメッセージを寄せた。

 

大阪府の高校3年生は、女性の家事や育児の負担が重いため、こどもが家庭に夢を持たなくなっているとして「男性が積極的に家事や育児に関わる社会をつくりたい」と話した。東京都の中学2年男子は「こどもが心配事や意見を言えて、大人が受け止めてくれることが当たり前の社会になってほしい」と語った。

 

このほか、社会的養護経験者である川瀬信一・子どもの声からはじめよう代表理事も登壇。川瀬さんは中学生の時に児童相談所に保護された経緯などを話し「どういう暮らしをしたいか、職員が選択肢を提示してくれたことで、私は今も自分で人生のハンドルを手放さずにいられる」と振り返った。

 

今後に向けては「聞こえる声だけでなく、声なき声も含めて分析し、こどもと若者たちと一緒に今の政策をどう変えるかを考える。すべてのプロセスが重要だ」と語った。