〈福祉施設職員退職手当共済〉掛け金引き上げに慎重な検討求める声

2026年0704 福祉新聞編集部

 厚生労働省の社会福祉施設職員等退職手当共済制度の在り方に関する検討会が6月26日に開かれ、関係団体へのヒアリングを行った。出席した団体からは大幅な掛け金引き上げについて慎重に検討するよう求める声が出た。

 退職共済は、社会福祉法人の8割が契約し、加入者は88万人に上る。法人が負担する掛け金は2026年度に職員1人当たり14万8500円。ただ、介護保険制度創設時に加入した職員が退職期を迎えたことなどから、掛け金の引き上げを抑える支払準備金の急速な減少が課題となっている。

 ヒアリングでは、日本知的障害者福祉協会の榎本博文副会長が、5月に会員法人を対象に実施した調査で、退職共済の掛け金引き上げについて9割が経営に影響があると回答したと紹介。人件費や物価の高騰で経営基盤が脆弱な事業者も多いとして、大幅な掛け金の引き上げは慎重に検討するよう求めた。

 また、掛け金の一括納入は特定月のキャッシュフローを圧迫するとして、分割納入を認めるよう提案。退職金本来の趣旨を踏まえ、支給要件を現行の勤続1年以上から3~5年程度に見直す案も示した。

 全国児童養護施設協議会の則武直美副会長は、乳児院や母子生活支援施設も含めた調査で、約8割が採用活動で退職共済を紹介していたと説明。「人材定着と長期勤続に重要な役割を果たしている」と述べ、一定程度の公費を確保してでも制度を維持するよう求めた。

 その上で、社会的養護の現場ではこどもとの安定した関係構築には職員の勤続年数が重要だとして「退職共済は単なる福利厚生ではなく、支援の質を担保する要素だ」と強調。今後も掛け金を引き上げる場合、措置費の増額を訴えた。

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