大分の旧宿場町に農家レストランなど 福祉の力でにぎわい戻る〈博愛会〉
2026年07月14日 福祉新聞編集部
大分市の社会福祉法人博愛会(釘宮卓司理事長)は旧宿場町・久住宿にある空き家を改修し、4月に障害者と高齢者が働く農家レストラン「山田や」(就労継続支援B型)と甘味処「白丹屋」を開設した。過疎化で廃れていた久住町に福祉の力で新たな拠点を生み出し、かつてのにぎわいを取り戻している。
久住宿は江戸時代に豊後鶴崎(大分)と肥後熊本を結ぶ肥後街道の要衝として栄えたが、現在はその面影は薄れ、高齢化や人口減少が進んでいる。
そこで博愛会は「福祉は支えられるだけでなく、街を動かす力になる」と拠点整備に着手。国土交通省の補助金を受け、空き家を総工費約1億4000万円かけて、おしゃれで人が集まりたくなる造りに改修した。
山田やは、障害者が作った米、地元の旬の野菜などを使い、定食など約14種類のメニューを提供。地元のおばあちゃんが味付けするおばんざいは食べ放題だ。白丹屋は、街の造り酒屋の酒粕を使った酒まんじゅうと、地元で有名な大嶋キヌエさん(87)の料理法を継承したぼたもちを提供している。
白丹屋には併設して無料で過ごせる「茶論自由堂」があり、こどもたちが集まったり、コワーキングスペースとして利用されたりしている。さらに駐車場、トイレも自由に利用できるため、観光客が立ち寄るなど、誰でも使える開かれた場所としてさまざまな交流が生まれている。
開設から約3カ月。おばあちゃんの昔ながらの味付けと、おしゃれな造りなどが口コミで広がり、休日は250人近い人が訪れ、約25万円の売り上げがある。
ここで働く障害者6人と84~92歳の高齢者6人は世代を超えて交わり、新たな働きがいにもつながっている。
住民からも応援する声が届いており、釘宮謙悟副理事長は「町ににぎわいが戻ってきた。自法人だけではなく、地域全体が盛り上がってくれれば」と話している。

