高齢者等終身サポート事業の展開〈コラム一草一味〉
2026年09月17日 福祉新聞編集部
日本社会事業大学 理事長 蒲原基道
近年、頼れる身寄りのない高齢者が増加してきており、これらの人にとっては、ちょっとした生活のサポート、入院、福祉施設入所に当たっての身元保証、さらには死後の事務処理など、従来家族が担ってきた支援を、他者に頼らざるを得ない状況になっている。
この問題に対応するため、多くの民間事業者が終身サポート事業を行っている。ただし、その事業内容が精粗さまざまで、一定水準のサービスが確保されていないのが現状である。
こうした中で、2024年6月に国から高齢者等終身サポート事業者ガイドラインが示された。25年には全国規模の事業者団体(全国高齢者等終身サポート事業者協会)が設立され、この団体により、国のガイドラインなどを踏まえた事業者認定が近くスタートする予定である。
今後は、この認定を受けた事業者が適切に事業を実施していくことで、認定制度自体の信頼度を高め、優良事業者の増加につなげていくことが求められる。
さて、身寄りなき高齢者の側に立つと、所得の状況によらずに、必要な支援を受けられることが重要である。このためには、優良な民間事業者のサービスに加えて、今年の社会福祉法改正で整備された「福祉サービス・保健医療サービス等利用支援事業」が各地域で社会福祉協議会などにより実施されることが必要である。また、地域において当事者が適切な事業者を選べるよう、地域包括支援センターなどにおいて、必要な情報提供や相談支援が行われるよう期待したい。
さらには、こうした支援の前提には、死後も含めてどのように暮らしていきたいかについての本人の意思や思いがある。民間、社協など、どの事業主体においても、当事者の意思や思いを繰り返し確認することを大事にしてほしい。
この点は、そもそも、家族がいる場合でも同様であり、広くアドバンスライフプランニング(将来の人生について、関係者と相談しながら意思決定していくプロセス)の考え方の普及が求められている。

