地域医療構想、今年度内に指針策定 新検討会が審議開始
2025年08月03日 福祉新聞編集部
2040年を見据えた新たな地域医療構想について、厚生労働省は7月24日、新たな検討会を設けた。都道府県向けのガイドライン(指針)を今年度内に作る方針で、「医療・介護連携」など四つのワーキンググループで議論する。
検討会の座長に就いた遠藤久夫学習院大学長は「新しい地域医療構想は、これまでよりも対象が広がる。大変難しい課題だが、ガイドラインを作る過程で地域医療構想の全容が明らかになる」と述べた。
厚労省は医師偏在是正策も含んだ医療提供体制の改革案を24年12月にまとめ、今年2月に医療法改正案などを国会に提出。会期内に成立せず、継続審議となった。
そのため、今回の検討会は当面、改正法の法律事項以外のことを議論する。将来必要となる病床数の推計方法、医療機関や病床が果たす機能といったことが主な論点となる。
地域医療構想は限りある医療機関や人員を適正配分するための構想で、都道府県は国の指針を踏まえて26年度に医療提供体制全体の方向性を決める。27年度からは医療機関の機能に着目して過不足ないか点検を始める。
40年にかけて日本全体では人口が高齢化し、働き手が減る中で、個々の病院や診療所にとっては、撤退や果たす機能の転換を迫られることになる。
新しい地域医療構想は入院機能だけでなく、在宅医療や介護も視野に入れて体制をつくることが特徴。改正法が成立すれば、精神医療もその範囲に入る。