岸和田市社協が鍵預かりで高齢者の安否確認 府営住宅でモデル事業開始
2026年07月02日 福祉新聞編集部
大阪府の岸和田市社会福祉協議会は16日から、市内の府営住宅で暮らす高齢者の安否確認を行うための「鍵預かりサービス」モデル事業を始めた。地元の社会福祉法人や民生委員、地域包括支援センターなどと連携して実施。単身高齢者の自宅の鍵を預かり、「様子がおかしい」と思われるときにこの鍵を使って部屋に入り安否確認をする。
高齢者の単身世帯増加に伴い、円滑に安否確認できる体制構築の重要性が高まっている。死後数日を経て発見されるケースも増えているという。戸建てと比べて屋内の様子を確認しづらい団地では、緊急時に鍵が開けられないことで安否確認に時間がかかり、特に高層階で難儀になるといった課題がある。住民からは公的機関による鍵預かりを求める声も上がっていた。
窓ガラスなどを壊すことなく迅速な安否確認につなげようと、居住支援法人でもある市社協が鍵預かり事業を企画し、高齢化が進む府営土生団地(土生町、600戸)でモデル的に取り組むことにした。近隣の社会福祉法人幸福荘(神須屋町)が地域貢献の一環として鍵の保管で協力する。
モデル事業を利用できるのは同団地に住む独居の65歳以上で、利用は無料。希望者からあらかじめ自宅の鍵を預かり、専用のファイルに入れて幸福荘が運営する高齢者施設で保管する。
異変を感じた際、警察や民生委員、自治会長、ケアマネらが預かっている鍵を使って家屋内に入り、安否確認を行う。事業の必要経費は府社協による「大阪しあわせネットワーク助成金」を活用する。
家屋内に入る必要があると判断する目安として、洗濯物が何日も干しっぱなしになっている▽異臭がする▽福祉サービス利用時にいつになく応答がない――などを想定する。
16日に同団地集会所で第1回の受け付けがあり、70~90代の14人が利用登録。預かった鍵で実際に自宅のドアが開錠できるかどうか、市社協職員と民生委員がペアを組み一軒一軒訪問して確認した。30~40人ほどの利用を見込み、7、8月にも申し込み会を開く。今秋には模擬訓練の実施も目指す。
沖藤政紀市社協地域福祉課長代理は「将来的には他の団地にも広げたいが、人材、予算の確保が課題になる。モデル事業を1年間実施して運営面での課題を検証し、行政に必要な支援を求めていきたい」と話した。

