戸別訪問で認知症見守りの模擬訓練 困っている人を支えられる地域に〈東京・立川〉
2026年06月19日 福祉新聞編集部
東京都立川市羽衣町で6日、認知症見守り声掛け模擬訓練が行われた。地域住民、福祉・医療関係者、民生委員、市職員ら45人が8グループに分かれて個別訪問などをして、認知症の人の困り事に対応してもらうことで認知症の理解と支援の輪を広げていく。今年で8回目となる。
各グループで案内交渉役、認知症役、お礼役、記録係を決め、それぞれ約1時間かけて地域を回った。60代男性宅では、認知症役「娘を迎えにきた」、60代男性「ここにはいないよ」、認知症役「ここは保育所ではないの」、60代男性「違いますね。一緒に探しますか。近くに地域包括支援センターがあるので一緒に行きましょう」。
5分程度でやり取りが終わり、60代男性が「何と答えていいか難しい」と話すと、グループから「否定すると認知症の人はパニックになってしまう。受け入れてくれると安心する」と助言した。
ほかの訪問宅でも、認知症役の話を親身になって聞き、戸惑いながらも解決に導こうと優しく対応してくれる人が多かった。
個別訪問を終えた参加者からは「この活動がほかの地域にも広がるとよい」「認知症の人への対応に自信がなかったが、気付きが得られた」といった感想が聞かれた。
訓練は認知症グループホームの入居者が行方不明になったことから地域で見守ろうと始まった。雨の中、傘も差さずに歩いていた高齢者に訓練参加者が声を掛けて保護するといった効果も出ている。
訓練実行委員会の岡村深鈴みすず市南部東はごろも地域包括支援センターサービス長は「個別訪問するのがポイント。認知症の人だけでなく、困っている人を支えられる地域になれば」と話している。

