通所介護の送迎に報酬上の配慮を求める声 介護給付費分科会で議論〈厚労省〉
2026年06月20日 福祉新聞編集部
厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会が15日に開かれ、2027年度介護報酬改定に向け、通所介護などをテーマに議論した。委員からは、特に中山間地域などの送迎に報酬上の配慮を求める声が上がった。
24年度の通所介護の収支差率は、前年度より0.3ポイント減の6.2%。ただ、地域密着型を含めた通所介護の事業所数は、16年度の4万3440事業所をピークに、その後約10年間にわたり横ばいで推移している。
通所介護事業者には送迎の体制に課題意識があるケースも少なくない。厚労省が25年度に実施した調査研究によると、通所介護事業者の97%が送迎を実施。基本的に1人で対応している事業所が73%を占め、非常勤を含む事務職員が担うケースが多いのが実情だ。
全国市長会の長内繁樹豊中市長は、送迎時間が介護報酬で評価されないため、中山間地域などでは採算性が低く、事業撤退につながっていると指摘。送迎を適切に評価する報酬体系を求めた。
全国町村会の中島栄茨城県美浦村長も、送迎に必要な職員の確保を課題とする事業者が多いとして、中山間地域でも安定的に運営できる制度を求めた。
また、現場の立場から全国老人福祉施設協議会の小泉立志副会長も、中山間地域などは燃料費がかさむことから、通常の報酬とは別の配慮が必要だと同調した。
小泉副会長は、24年度の通所介護の収支差率が6.2%である点について「金額ベースでは37万円に過ぎない」と強調した。人件費の影響を大きく受けるため、安定した経営ではないと訴えた。
その上で「中山間地域では一つの通所介護事業所が地域包括ケアシステムの中で大きな役割を担っている」と指摘。仮に通所介護が27年度介護報酬改定でマイナス改定となれば、昨年の倒産件数が過去最多となった訪問介護と同様の状況になりかねないとして警鐘を鳴らした。

