介護・障害の基本報酬増を 全社協政策委が厚労省に要望
2026年06月09日 福祉新聞編集部
全国社会福祉協議会政策委員会(平田直之委員長)は5月28日、上野賢一郎厚生労働大臣に、2027年度予算などに関する要望書を提出した。物価高騰や賃上げ努力を続ける中、社会福祉法人の経営が悪化しているとして、介護や障害福祉の基本報酬をプラス改定にすることなどを求めている。
要望の背景には、福祉現場の厳しい経営実態がある。福祉医療機構が26年2月に公表したデータによると、赤字の社会福祉法人の割合は介護分野42%▽障害分野26%▽保育分野17%――に上る。
27年度には臨時で報酬改定も行われたが、処遇改善だけでは法人の収支改善にはつながらないのが実情だ。要望書は事業継続に必要な基本報酬の引き上げが不可欠だと訴えた。
また、福祉人材不足も深刻化している。全産業平均との月収差は、介護8万2000円、障害7万7000円、保育5万3000円で、今後広がる可能性もある。そのため3年に1回の報酬改定ではなく、全産業の賃金上昇や物価に連動して継続的に処遇を改善する仕組みの導入を求めた。
これに対し、厚労省の鹿沼均社会・援護局長は「社会保障に何らかの問題が起きてはならない。要望を踏まえ、必要なことは意見を申し上げていきたい」と応じた。
社会的養護の予算確保を
全社協政策委は5月26日、黄川田仁志こども政策担当大臣に対して、社会的養護、保育など27年度予算に関する要望書を提出した。
社会的養護関係については、里親での養育が困難なこどもへの専門的対応や、里親支援など多機能化や高機能化が求められていると強調し、十分な予算を確保するよう求めた。施設の専門的機能を十分に発揮できるよう職員配置基準の抜本的な見直しも訴えた。
このほか、保育に関しては、保育士の勤務年数が長期化しているとして、福祉職俸給表の格付け見直しも含めた公定価格の基本単価引き上げなどを要請。主任保育士の専任必置化も求めた。
さらに、現在、厚生労働省の検討会で退職手当共済制度が見直されていることに触れ、掛け金に対する現行の公費助成を継続することも要望している。

