社会福祉法等改正案が衆院通過 付帯決議は27項目

2026年0530 福祉新聞編集部
参考人として意見を述べる小島さん

 頼れる身寄りのない高齢者らへの支援強化を盛り込んだ社会福祉法などの一括改正案が5月26日、衆議院本会議で可決された。日常生活だけでなく入院時や死後の葬祭も支える事業を創設する。22日の衆院厚生労働委員会は27項目の付帯決議を採択した。

 法案は参議院に移り、今国会で成立する見通しだ。改正法案は介護保険法など複数の法律を束ねたもの。人手不足によって介護事業所の維持が難しい中山間地などに限り、特例として人員配置基準を緩和した「特定地域サービス」を設ける。

 このサービスでは、月単位の定額報酬を導入できるようにする。施設と在宅のいずれも対象となる。

 保険給付の一つであるこの特例でも事業所を維持できない場合を想定し、改正法案は介護保険料を財源の一部とする地域支援事業(市町村事業)に、人員配置基準のない新事業を設ける。

保険の原則を破壊

 在宅サービスの事業者に市町村が委託する形をとる。こうした市町村事業では利用者の受給権があいまいになるため、これまでも疑問視されてきた。

 訪問介護事業所などを運営する小島美里氏(暮らしネット・えん代表、埼玉県)は20日の衆院厚労委員会に参考人として出席。新事業について「社会保険の原則を破壊する」と批判した。

 介護保険制度創設時、保険料を納めても利用したいサービスが整わない事態を「保険あって給付なし」と危惧する声があったが、それが現実になったことを改めて印象付けた。

障害福祉にも特例

 今回の改正法案は、障害者福祉サービスについても中山間地域など人口減少地域で「特定地域サービス」を設けられるようにする。

 しかし、どのような基準でその地域を指定するかは決まっておらず、改正法案の成立後に審議会で検討することになっている。大都市の中の人口減少地域が指定されることも政府は排除しない。

 そこで付帯決議は、この「特定地域サービス」を適用する対象地域が、なし崩し的に広がらないようにすることを求めた。

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