<成年後見>民法改正案が衆院を通過 特定補助に付帯決議

2026年0531 福祉新聞編集部

 認知症の人らを支える成年後見制度を見直す民法の改正案が5月26日、衆議院本会議で可決された。参議院に送られ、今の国会で成立する見通しだ。

 改正により、本人の判断能力に応じて権限に差を設けた3類型のうち、「後見」と「保佐」を廃止し、「補助」に一本化する。利用者本人の同意による補助制度とし、意思を尊重する。

 ただし、同意の意思表示も難しく、家庭裁判所が必要と認める場合は「特定補助人」に法定の重要な財産行為の取消権を与える。

 この特定補助の制度には複数の議員から疑義が上がり、22日の衆院法務委員会は障害者の権利を不当に制約しないよう求める付帯決議を採択した。 

 その一方で消費者保護の強化を求める意見も浮上。特に、高齢者や障害者が不当な契約を結ばされた場合の法制上の措置を検討することが付帯決議に盛り込まれた。

意思の尊重と保護両立

 20日の衆院法務委員会では、3人の参考人から改正案に賛同する意見が相次いだ。

 小澤吉徳氏(日本司法書士会連合会)は改正案について「画期的な法改正だ」と評価。本人の自己決定の尊重と、保護の必要性のバランスを取った点を重視した。

 根本雄司氏(日本弁護士連合会)も「柔軟な制度へと見直された」と評価。今後の課題として、精神保健福祉法に基づく医療保護入院の同意権者に後見人を含めた規定の廃止を挙げた。

福祉との一体改革

 法務省の法制審議会で部会長を務めた山野目章夫早稲田大教授は福祉との関連について「民事法制の改革と地域社会福祉の改革は車の両輪だ。どちらかがつまずいたら全体が崩れる」と一体的な改革だと強調した。

 審議中の改正社会福祉法案については「改正すると直ちに社会福祉がうまくいくというふうになっていない」とし、予算の獲得や自治体の理解を得ることが重要だとした。

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