障害者雇用の質向上へ指針策定 厚労省が報告書案
2026年02月07日 福祉新聞編集部
厚生労働省の「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」(座長=山川隆一明治大教授)が1月30日に開かれ、報告書案をまとめた。障害者雇用の質を向上させるため、国が重視すべき要素を指針にまとめて法令で規定する。急増している障害者雇用ビジネスについても指針を策定し、利用企業には一定の報告を求めて行政が指導監督できるようにする。
今後の検討は労働政策審議会障害者雇用分科会に引き継がれる。分科会は今年中をめどに議論をまとめ、2027年に障害者雇用促進法など関係法令を見直す予定。
かねて障害者雇用の質の確保が課題とされてきたが、24年4月から企業の法定雇用率が段階的に引き上げられているため、雇用の数に意識が向きがちで、企業の障害者雇用ビジネスの利用が急増してきた。
質の指針には障害者の能力発揮、適正な雇用管理、正当な評価などに関する内容を盛り込む。指針が企業の雇用のハードルとならないよう留意し、現場の状況を踏まえて適用時期を決める。また、中小企業が対象の「もにす認定」を大企業にも拡大し、認定基準を見直して活用する。認定企業への調整金の支給、実雇用率への算定も検討する。
障害者雇用ビジネスの指針では、資格保有者の配置、職員研修の実施、情報の開示などを定める。利用企業には報告を求め、不適切な事案には指導できるようにする。ただ、現状で同ビジネスの定義や範囲が明確ではないため、今後さらに検討が必要になる。
雇用率制度の対象外である障害者手帳を持たない難病患者について、個別の就労困難性(職業生活への制限の程度)を判定する基準を作り、実雇用率に算定できるよう検討する。また、雇用率制度で身体、知的障害者にはあるが、精神障害者にはない「重度」の区分を新設。本来、短時間労働は0・5人として算定するが、精神障害者は1人としている特例を今後も継続する。
雇用納付金の納付義務が生じる企業の範囲を、常用労働者100人以下に拡大することは引き続き議論する。

