災害時の入浴確保 特別養護老人ホームの風呂開放〈大阪・泉大津市〉
2026年01月13日 福祉新聞編集部
災害時に避難者が長期間入浴できない事態に陥らないよう、大阪府泉大津市は入浴施設を持つ市内の福祉施設などと災害時に風呂を提供してもらうための協定締結を進めている。第1号となったのは、市内で特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人覚寿園(藤原義紀理事長)。利用者に影響が出ない範囲で避難者に特養の風呂を開放する。
能登半島地震や東日本大震災など過去の大災害では断水や停電、ボイラー故障などが同時に発生し、避難者の多くが長時間入浴できない状況に置かれた。国は2024年8月、事務連絡で災害時における入浴機会の確保に向けて協定締結などにより、民間事業者との連携強化を図るよう自治体に促していた。
泉大津市は他の多くの自治体と同様に、大規模入浴設備を持たない。加えて沿岸部は津波浸水想定区域となっており、断水、停電リスクが高く、市内にスーパー銭湯がないなど市特有の課題もある。
市単独での備えには限界があり、市は入浴施設を持つ民間事業者との連携が最も効果的な対策だと位置付け、津波浸水想定区域外に位置する特養覚寿園(同市曽根町)に協力を呼び掛けた。
昨年12月25日、市役所で南出賢一市長と藤原一樹施設長が協定書に調印。災害時、施設利用者が利用しない時間帯に風呂を開放するなどし、避難者を受け入れる。風呂には介護入浴リフトも備える。
市は今後、市内にある特養や障害者支援施設を中心に同様の協定締結を進めたい考えで、来年度は特養3施設との締結を目指す。

