ヤマト福祉財団小倉昌男賞 ゆずりは会の大淵氏が受賞

2025年1219 福祉新聞編集部
ブロンズ像を受け取った小淵理事(中央)と山内理事長(右)

障害者の自立支援などに貢献した人を表彰する「小倉昌男賞」の第26回贈呈式が4日、東京都千代田区の日本工業倶楽部で開かれた。公益財団法人ヤマト福祉財団(山内雅喜理事長)の主催。今年度は社会福祉法人ゆずりは会(群馬)の小淵久徳理事とNPO法人わかば福祉会(兵庫)の久保田静子理事長が選ばれた。

小淵理事は大学卒業後、ホテルなどでの勤務を経て、ゆずりは会に転職。就労継続支援B型事業所として農業を行っており、現在16ヘクタールの畑や水田を使って、米麦、タマネギ、ブロッコリーなどを生産。年間の事業収入は3900万円に上る。

障害特性を踏まえ、農作業を細かく分解。機械化を進め、職員の負担も減らしている。こうした活動により2024年度の平均工賃は月9万9000円と、この5年で2倍以上に増え、全国的にも注目が高い。

久保田理事長は障害児学級の担任をしていたが、教え子が卒業後に働く場がないという問題に直面。1969年に教職を辞めて作業所を立ち上げ、年賀状の印刷や、売店での販売などすべて自主財源で行ってきた。

2008年には法人化し、就労継続支援B型事業を実施。100歳を超える今も現場に出ている。全国に先駆けて障害者の働く場所づくりに取り組んできたことなどが評価された。

贈呈式で小淵理事は「小倉賞という大切な思いを引き継ぎながら、これからも全国で頑張る仲間たちと障害のある人たちの生活向上に向けて尽力したい」。久保田理事長は「障害のある人らが皆と同じように幸せになるよう努力したい」と語った。

0 Comments
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る