療養病床、転換助成延長で賛否〈社保審医療保険部会〉

2025年0629 福祉新聞編集部

療養病床を介護保険施設に転換することを促す助成事業について、厚生労働省は6月19日、都道府県などに行ったアンケート結果を社会保障審議会医療保険部会(座長=田辺国昭東京大大学院教授)に報告した。

活用可能性高くない

回答した都道府県の52・4%が「今後、この事業の活用を希望する医療機関が現れる可能性は高くない」と回答。医療機関からの回答でも、「2027年度までに療養病床を転換する予定はない」が97%に上った。

委員からはこの助成を廃止すべきとの意見が上がった一方、潜在的なニーズはあるとして存続を求める意見もあり、結論は持ち越しとなった。

転換助成事業は08年度に始まり、期限を3回延長してきた。現在の期限は25年度末で、延長するかは決まっていない。助成額は1床につき改修は50万円、改築は120万円。これまで計7465床の転換に活用された。

助成の原資は国、都道府県、保険者が負担する。現在の剰余金は45億円に上る。療養病床をめぐっては、医療ニーズの高い人が入院しているとは限らないとして、厚労省が老人保健施設などへの転換を促してきた。