介護・福祉も選択肢 国立病院機構、40年に向け経営指針

2025年0124 福祉新聞編集部
国立病院機構ウェブサイトより

独立行政法人国立病院機構は昨年12月20日、高齢者人口がピークを迎える2040年に向けた経営ビジョン(指針)を発表した。より安定した経営をするため、地域の事情によっては介護や障害福祉の事業にも参入できるよう業務範囲の見直しが必要だとした。同機構がビジョンをつくったのは初めて。

現在、同機構の業務範囲は法令で決まっているため、柔軟に事業参入することはできない。20年度以降、年間300億円超の赤字が続く現状を「危機的な財政状況」と認め、医療以外の需要にも対応することが選択肢として必要と判断した。

同機構は重症心身障害、神経・筋疾患、精神医療といった分野も担ってきたが、ビジョンはこれらを「収益を上げにくい分野」とした上で、今後はこうした患者の在宅療養や地域移行にも取り組む考えを打ち出した。

同機構の病院は全国に140あり、病床は4万9000床、職員数は7万8000人。