3法人と福祉避難所協定 要配慮者の受け入れ先確保(秋田・三種町)

2024年0625 福祉新聞編集部
田川町長(前列右から2人目)と各社会福祉法人理事長ら

秋田県三種町は町内の三つの社会福祉法人と災害時の福祉避難所設置協定を結んだ。これまでの福祉避難所は町社会福祉協議会が指定管理で運営している地域福祉センターのみで、社会福祉法人との締結は初めて。5月20日の締結式で田川政幸町長は「災害時要配慮者の受け入れ体制に課題があったが、協定により充実が図られ、災害時の安心につながる」と述べた。

町の人口は4月末現在1万4426人、高齢率は48%。唯一の福祉避難所だった地域福祉センターは町社協事務所と在宅サービス事業所となっており、災害が夜間や土日に起きた際の職員体制に課題があった。加えて、災害時は町社協が運営するボランティアセンターの拠点となるため、十分な避難場所を確保できないことも懸念されていた。

町内七つの社会福祉法人のうち、協定を結んだのは特別養護老人ホームを運営する琴丘ふくし会、双山会、八竜山本ふくし会。災害時に各施設で20人程度の受け入れを想定している。八竜山本ふくし会の特養「美幸苑」の日諸聡施設長は「社会福祉法人の地域貢献として協力し、災害時はともに乗り越えていきたい」と話した。

町では9月に美幸苑を福祉避難所として訓練を行い、課題を検証するほか、福祉避難所の締結先の拡大も検討していく。