医療的ケア児の対策 総務省が文科省に改善を要請

2024年0328 福祉新聞編集部

人工呼吸器や、たんの吸引などが日常的に必要な医療的ケア児をめぐり、総務省行政評価局は8日、受け入れる小学校の体制整備が遅れているとの調査結果を公表した。

 

看護師配置が間に合わず、保護者が付き添いを求められ、休職・離職した事例があるとして文部科学省に状況の改善を要請した。

 

評価局は2022年12月以降、32市区町村の教育委員会や小学校36校などを抽出し、医療的ケア児42人の事例を調査した。

 

それによると、看護師の休暇や校外学習の際はケアができないとして、保護者に付き添いを求めた学校も多かった。医療的ケア児が入学するのを事前に把握できていない教委もあった。

 

評価局は、看護師が出勤できない場合は、訪問看護ステーションにケアを委託するなど工夫している教委もあるとして、付き添いの解消を求めた。

 

医療的ケア児の入学は自治体の福祉部局との連携などで早期に把握すべきだとした。

 

医療的ケア児は増加傾向で、厚生労働省の推計によると全国で約2万人。保護者を含めた生活を支えることを目指す「医療的ケア児支援法」が21年9月に施行された。