福岡市が「誰でも通園」独自で拡充 上限時間を国基準の4倍に

2024年0301 福祉新聞編集部

就労要件を問わず、保育施設を利用できる「こども誰でも通園制度」(仮称)の試行事業について、福岡市は独自で国が示す上限時間(10時間)の4倍利用できるようにする方針だ。当初予算案に事業費4億8511万円を計上。実施施設の公募を経て、年度途中から始める見通しだ。

 

誰でも通園制度は、保育所などに通っていない6カ月~満3歳未満児が対象で、法律に基づく新たな給付制度で実施する。2026年度からの全国展開を目指している。

 

現在、同市など31自治体が保育所の空き定員を活用した未就園児の預かりモデル事業に取り組んでいる。

 

誰でも通園の本格実施に向け、国はこのモデル事業を本年度中にも拡充。およそ150自治体での実施を見込み、同市を含む108自治体の参加が決まっている。1人当たり月10時間の利用を上限とするが、誰でも通園有識者検討会では「10時間では少ない」といった声が上がっていた。

 

保育現場や保護者からの声を受け、同市は独自で利用時間を拡充し、月最大40時間預けられるようにする。実施施設は現在の3施設から30施設程度に、利用枠は120人から1000人超に大幅拡充する。

 

誰でも通園の試行事業をめぐり、独自色を打ち出す自治体が出てきている。京都府はこどもが環境に慣れた後も、親子通園を継続できるようにするなど保護者支援を強化する。