こども大綱の答申案示す (こども家庭審議会基本政策部会)
2023年11月29日 福祉新聞編集部こども家庭庁は17日、こども家庭審議会基本政策部会(部会長=秋田喜代美・学習院大教授)を開き、こども大綱の答申案を示した。こどもまんなか社会の実現を掲げ、ライフステージを通して行うべき重要事項を示している。
大綱は今後5年のこども政策の方向性を定めるもの。こども家庭庁創設前に内閣府が策定していた少子化社会対策大綱など3大綱も統合する。
答申案は、こどもまんなか社会について、すべてのこどもや若者が身体的・精神的・社会的に幸せな状態で生活を送ることができる社会とした。その上で、ライフステージを通じた重要事項や、「誕生前から幼児期」「学童期・思春期」「青年期」といったライフステージ別に重要事項も示している。
会合で同庁は政策の状況を把握するための指標(案)を提示した。具体的には▽こどもの貧困率▽児童虐待相談対応件数▽里親等委託率▽児童生徒の自殺者数▽若年層の平均賃金▽合計特殊出生率――など22項目を提示している。
また策定に向け同庁は、こどもや若者の意見を反映するための取り組みも行っており、その結果も公表した。当事者からは1905件の意見が寄せられ、一部を答申案に反映したという。
今後、答申案はこども家庭審議会で議論した上で、政府に提出。年内に岸田文雄首相を会長とするこども政策推進会議が、指標も盛り込んだ大綱を決定する予定だ。