児童虐待相談が21万件超え 32年連続で過去最多を更新

2023年0919 福祉新聞編集部
児童虐待相談対応件数の推移

 こども家庭庁は9月7日、2022年度に全国の児童相談所が相談を受けて対応した件数が21万件を超えたと発表した。1990年度の統計開始以来、32年連続で過去最多を更新した。

 

 全国に232カ所ある児相が2022年度に相談を受け、指導や措置などの対応をしたのは、前年度より5%増の21万9170件(速報値)だった。

 

 

 

 内訳をみると「心理的虐待」(12万9484件)が最多で、「身体的虐待」(5万1679件)、「ネグレクト」(3万5556件)、「性的虐待」(2451件)の順だった。

 

 児相別では、東京都(2万705件)が最多で、大阪府(1万6036件)、埼玉県(1万5512件)と続いた。

 

 相談経路については、警察が52%と半数を超えた。次に近隣知人が11%、家族親戚が8%。このほか、保育所は0・8%、児童福祉施設0・6%だった。児童本人からの相談も1%あった。

 

 今年も児相の相談対応件数が増加する背景について、同庁支援局虐待防止対策課は関係機関の虐待防止への意識が高まったためではないかと指摘。「来年度の改正児童福祉法の施行に向け、妊娠段階からのアセスメントや訪問家事支援など市町村で未然に虐待を防ぐ取り組みを進めたい」としている。

死亡検証も公表

 同時に同庁は、親などから虐待を受けて死亡したこどもの検証結果について公表した。21年度に虐待で死亡したこどもは全国で心中を除いて50人。このうち、0歳のこどもが24人と約半数で、1歳と3歳がそれぞれ6人ずつだった。

 

 内容別では、身体的虐待が21人、ネグレクトが14人を占めた。

 

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