東京都は２月１２日、障害者スポーツフォーラムを３年ぶりに都内で開催した。障害者スポーツのイベント運営者や普及に携わりたい人を対象にしたイベントで、今年のテーマは「障害者スポーツを支える活動のこれから」。障害者スポーツを広く一般にも興味を持ってもらうため有識者を招いたトークセッション形式で意見を出し合った。

　登壇者は、東京２０２０パラリンピック競泳金メダリストの木村敬一選手や、デフバレーボール女子日本代表監督の狩野美雪さん、日本障がい者サッカー連盟理事の神一世子さん、日本オリンピック委員会専務理事の星野一朗さん。

　障害のある人が継続的にスポーツを続けるにはどうしたらいいかという議題に対し、星野さんは「日本のトップアスリートは障害者と交流することで人間的に成長している選手が多い」とし、「スポーツにおける交流の重要性」を強調した。

　神さんは「障害者がスポーツできる場所が、特に地方では限られている。日常的に障害の有無に関係なく一緒にスポーツできる環境をつくる必要がある」とした。

　これに対して木村選手は、水泳を例に挙げて「人にぶつからないよう泳げなければ他者に交じって一緒にはできない」として、「まず障害者自身が、障害者同士のコミュニティーの中で基本的なスポーツのスキルを身に付ける必要がある」と話した。

　狩野さんは、２０２５年に東京でデフリンピック初開催が決まったことに触れ、「一緒に楽しむという考え方も大事。頭でっかちにならず、まずは知って歩み寄ることから始めてほしい」と呼び掛けた。

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