学校の先生に相談できたのは4人に1人 ACHAプロジェクトが虐待調査
2022年12月06日 福祉新聞編集部虐待を受けたこどものうち、学校の先生に相談できたのは4人に1人――。そんな調査結果を児童養護施設出身者によるボランティア団体「ACHAプロジェクト」がまとめた。
調査は今年6~7月にかけ、こどもの頃に虐待を受けた経験のある人を対象にインターネットで実施。1005件の回答があった。年代は「20代」(351人)と「10代」(263人)が多かった。
虐待の種類を複数回答で聞くと、男性は「身体的虐待」(74%)が、女性は「心理的虐待」(80%)が最も多かった。また受けた虐待の種類は2種類が4割と最多で、全種類と答えたのも1割いた。
学校へ相談できたのは、男性が23%、女性が25%。相手は男女ともに「担任」が最多で、男性が28%、女性が26%に上った。時期は男女ともに「中学校」が多かった。
調査では先生の対応についても聞いた。うれしかったことは「話を聞いてくれた」「安全な場所を用意してくれた」などが挙がった。一方、嫌だったのは「親の味方をした」「親に勝手に連絡をした」「周りに知られないための配慮がなかった」などが指摘された。
調査した山本昌子・同団体代表は「大人がこどものSOSをありのままに受け止めることが大切。今後も環境改善を訴えたい」と話している。