こども家庭ソーシャルワーカー、初のフォローアップ研修

2025年1230 福祉新聞編集部
白澤代表理事

こども家庭福祉や児童虐待対応に関わる職員を対象にした認定資格「こども家庭ソーシャルワーカー(SW)」を対象にした初めてのフォローアップ研修が11月30日に明治学院大(東京都港区)で開かれ、120人が参加した。こども家庭庁の認定を受けて試験の実施や、資格の登録を担う日本ソーシャルワークセンターが主催した。

2024年度から養成が始まったこども家庭SWは昨年3月に初の試験が行われ、781人が受験。703人が合格し、全都道府県でこども家庭SWが誕生した。

開会あいさつで同センターの白澤政和代表理事は「戦後の福祉はこども分野が引っ張ったが、1990年代からは高齢者や障害分野がリードする時代へと転換した」と指摘し、理由の一つに児童分野でケースマネジメントを行う専門職がなかったことを挙げた。

その上で「こどもファーストの時代を迎える中、こども家庭SWがもう一度、日本のソーシャルワークをつくり上げる先頭に立ってほしい」と呼び掛けた。

続く行政説明では、こ家庁支援局虐待防止対策課の半田玲子専門官が、こども家庭SWは資質向上だけでなく、地域の関係機関とのネットワーク拡大につなげる狙いがあると説明。今年3月からは児童養護施設や乳児院、母子生活支援施設の施設長の任用要件に、こども家庭SWを追加する方針も明らかにした。また、自治体には将来的な人材配置を見据えた計画的な養成を求める考えを強調した。

このほか、大阪総合保育大の山縣文治特任教授による基調講演のほか、三つの分科会が開かれた。

フォローアップセミナーに参加した障害児入所施設などを運営する社会福祉法人六方学園(広島)の田中栄至業務執行理事は、全国のこども家庭SWとのつながりをつくろうと申し込んだ。「学んだことを法人内の職員研修で扱うなど人材育成にも生かしたい」と話した。

児童養護施設光明童園(熊本)の諫山直子副園長は、すでに県内のこども家庭SWによるネットワークづくりに取り組んでいるという。「児童虐待の予防に向けて今後も資格取得者が増えるよう、もっと国や県の後押しがあれば」と語った。

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