写真家が障害者施設利用者250人撮影 清心会40周年特別企画で(埼玉)

2023年0712 福祉新聞編集部
楽しげに仲間の写真を見る利用者と職員

 埼玉県秩父市の社会福祉法人清心会(岡部浩之理事長)は、6月24日の創立40周年記念フォーラムに合わせ、特別企画・大西暢夫写真展「穏やかな日常~秩父に生きる」を開いた。40周年にあたり全利用者250人の撮影を進めており、同日は22人の写真が展示された。

 

 清心会は1983年に秩父地域で初の障害者入所施設を開設。現在は障害関係19事業所を運営している。写真撮影は、高齢で亡くなる開設時からの利用者が増え、その際に遺影に使える個人写真がないことから始まった。

 

 岡部理事長が役員を務める全国地域生活支援ネットワークのつながりから写真家の大西さんに撮影を依頼。当初は60歳以上だけの予定だったが、利用者が飛び切りの笑顔やポーズを見せてくれること、他の利用者から多くの希望があったこと、説得や表情づくりのために懸命になる職員の姿が見られたことから、対象を希望する全利用者に広げた。

 

 撮影は会議室をスタジオにして、大西さんと職員が利用者に声を掛けながら行う。利用者の緊張がほぐれず1日1人しか撮影できない日もあり、2月から始めて現在までに撮影したのは130人。今後は、同ネットワークが来年2月に滋賀県で開くアメニティーフォーラムの写真展での展示や、記念写真集の制作を目指し、撮影を進めていく。

 

 村山勇治顧問に代わり、6月に理事長職を引き継いだ岡部理事長は「一日一笑の精神のもと、共生社会を秩父の地で実現したい。写真撮影もその一歩。長年共に過ごしてきた一人ひとりの証しをしっかり残したい」と話している。

 

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