「遊・食・居」を提供 社会福祉法人信和会がこどもの居場所を開設(千葉県)

2023年0628 福祉新聞編集部
開所式ではテープカットも行われた

 千葉県外房地域で認知症グループホームなどを運営している社会福祉法人信和会(杉田大樹理事長)は6月15日、同県茂原市に「子ども第三の居場所 杉の子kidsもばら」をオープンした。ボルダリングもできるプレイルーム、図書スペース、自習室があり、こどもたちが自由に過ごせる。カフェスペースはコミュニティーの場となり、毎週金曜には地元の食材を使ったこども食堂を開く。

 

 杉の子は新築した木造建物の2階にあり、広さは115平方メートル。利用対象は主に小学生で費用は無料。定員は1日20人。月曜以外(金曜はこども食堂のみ)は開設し、職員2人とボランティアで対応する。1階にあるデイサービス(定員20人)利用者との交流や畑作業体験などのイベントも予定している。

 

 信和会にはシングルマザーの職員が多く、こどもを預かってくれる場所がほしいと聞いていたことや、孤食児童やこどもの体力低下を防ぐために社会福祉法人として貢献したいとの思いで造った。

 

 子ども第三の居場所は、日本財団が2016年から展開しているプロジェクト。困難に直面するこどもが安心して過ごせる場。現在全国に170カ所あり、茂原市では初めて。運営も支援し、杉の子は開設時に5000万円、今後3年間、月最大60万円の補助を受ける。日本財団の金子知史・子ども支援チームリーダーは「こどもの3人に1人は何らかの困難を抱えているとされる。生活習慣を身につけ自己肯定感を育んでほしい」と応援する。

 

 杉の子の隣には信和会が21年に開設したフットサルコート併設のサービス付き高齢者向け住宅(定員33人)がある。フットサルコートでは元サッカー日本代表でもあるローヴァーズ代表取締役のカレン・ロバート氏プロデュースにより、スポーツを楽しむこどもとそれを見守る高齢者の触れ合いを「福祉×スポーツ」として実践している。

 

 14日の開所式で杉田理事長は「私にとって商店街が家でも学校でもない第三の居場所だった。当時私の心を豊かにしてくれた地域のおじさんのようにこの場所がなれたら」と抱負を語った。

 

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