困難女性支援法 在留資格の有無問わず 厚労省が基本方針

2023年0407 福祉新聞編集部

 2024年4月1日施行の「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(以下、新法)に基づく基本方針が3月29日、同法を所管する厚生労働省により明らかになった。同法の支援対象者について「年齢、障害の有無、国籍等を問わない」と明記。「在留資格」の有無で制限をかけないとしている。こどもや高齢者、障害のある女性を一律に支援対象から外さないようにする。

 

 基本方針を踏まえ、都道府県には施策の実施計画を作る義務が、市町村には努力義務がある。計画策定に当たり、母子生活支援施設や女性を対象とした更生施設など他施策での女性支援の状況も把握するよう基本指針は明記した。

 

 厚労省は1日、社会・援護局総務課に女性支援室を設け、子ども家庭局家庭福祉課から新法の担当部署を移した。24年施行に向けて準備を加速する。

 

 新法は売春防止法から婦人保護事業を抜き出して刷新したもの。売春するおそれのある女性を保護し更生させるのではなく、「性的な被害、家庭の状況、地域社会との関係性その他の事情」により困難な問題を抱える女性の福祉の増進を図る。

 

 従来の婦人保護事業は保護更生の対象者を厚労省の通知で拡大してきた。そのため都道府県に設置義務のある婦人相談所の運用にはばらつきがあり、婦人保護施設は定員割れが続いている。

 

 基本方針はそうした実態を改め、必要とする人が支援につながりやすくなるよう新法の考え方や対象者の捉え方を書き込んだ。

 

 また、現在、婦人保護施設は相部屋がほとんどだが、新法の施行を機に施設基準を改正し、原則個室にする。居室面積も現在の2倍にする。

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