仮想空間で福祉物産展 全国から35施設が出展、販路拡大に期待

2023年0214 福祉新聞編集部
メタバースで物産展を開いた=Vma plus提供

 日本知的障害者福祉協会は1月23~30日、インターネット上の仮想空間「メタバース」で全国障がい福祉物産展を開き、延べ5425人が来場した。メタバースの活用は初めてで、福祉業界でも珍しい試みだ。

 

 全国各地の障害福祉施設で作る地元名産品や工芸品を販売する物産展は、多くの人に商品の魅力や活動を知ってもらおうと2012年度にスタートした。これまで対面で開催してきたが、新型コロナの影響で20、21年度は中止を余儀なくされた。

 

 22年度担当の北陸地区知的障害者福祉協会が、新型コロナの感染リスク軽減に配慮した開催方法を模索した結果、メタバースに着目。会場までの移動の必要がなくなり、誰でも簡単に参加できるなど販路拡大に期待できる点も魅力だった。メタバースなどを活用した企画提案を行うVma plus(東京)から有償で提供を受け、実現させた。

 

 全国の施設、事業所がメタバースに35ブースを出展。来場者は分身となるアバターで会場を巡り、買い物や出店者との会話を楽しんだ。

 

 本年度の実行委員長、石川治樹・社会福祉法人福授園理事長(福井県鯖江市)は「対面開催よりも負担が軽減され、仮想空間での商品の見せ方、売り方などで多くの学びがあり、貴重な経験になった。今後、対面形式に加え、メタバースでも取り組んでいける転換点になった」と話した。

 

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